ATOMIC BLONDE

CHARLIZE THERON
JAMES McAVOY
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『007』シリーズのジェームズ・ボンド、『ミッション:インポッシブル』シリーズのイーサン・ハントをはじめ、これまで男性ヒーローの独壇場だったスパイアクションのジャンルに、驚くべきスーパーヒロインが現れた。
その素性は謎のベールに覆われているが、イギリス情報部MI6に所属し、極限状況における情報収集、戦闘、脱出のハイレベルな特殊スキルを体得している。
さらには無造作になびくブロンドヘアとクールな美貌、しなやかにして強靭な肉体を兼ね備えた史上最強の女スパイ、それが『アトミック・ブロンド』の主人公ローレン・ブロートンである。
ローレンを演じるのは、『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞に輝き、『マッドマックス 怒りのデスロード』の女戦士フュリオサ役で世界中の喝采を浴びたシャーリーズ・セロン

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ハードな身体的トレーニングなどの徹底した役作りをこなして撮影に臨み、容赦なく群がってくる殺し屋たちとのまさに"死闘"と呼ぶにふさわしいバトルシーンを体現。
その生々しい痛みまでも伝える壮絶なアクションに加え、男女問わずあらゆる観客を虜にするであろうセクシュアルな魅力を放つ本作はセロンの新たな代表作となった。
監督は『ジョン・ウィック』の製作、共同監督を務めたことで脚光を浴びた注目の才能デヴィッド・リーチ。凄腕のスタントコーディネーターとして数多くのハリウッド大作に携わった実績を持ち、あの大ヒット作『デッドプール』の続編の監督にも抜擢されたアクション演出のスペシャリストである。
シャーリーズ・セロンの脇を固める主要キャラクターにも豪華キャストが配された。
『ウォンテッド』『スプリット』のジェームズ・マカヴォイ、『キングスマン』『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』のソフィア・ブテラ、『アルゴ』『キングコング:髑髏島の巨人』のジョン・グッドマン
陰謀と欲望が渦巻く異国の地に身を投じたロレーンを、誰も信用できない混沌の闇へと引きずりこむアンサンブルは絶妙の一言である。
また、ドイツをふたつの国家に分断し、東西冷戦の象徴でもあったベルリンの壁が崩壊へと向かう歴史的な転換点が、映画の背景になっている点も要チェック。
イギリスのMI6、アメリカのCIA、ソ連KGBが虚々実々の"リスト"争奪戦を展開するストーリーはスパイミステリーとしても一級品で、その二転三転する巧妙なツイストは終幕までまったく目が離せない。
鮮烈な色彩美や陰影にもこだわったスタイリッシュな映像感覚、ニューオーダーの『ブルーマンデー』やクイーン&デヴィッド・ボウイの『アンダープレッシャー』といった1980年代のヒットナンバーを全編に散りばめたサウンドトラックも、美しき最強の女スパイの降臨を華々しく盛り立てている。

今作でのシャーリーズ・セロンのスパイアクションを描く上で、強烈にインパクトがあるフィジカルな部分が魅力的だ。ノンスタントではないかと思わせる格闘シーンに勇ましくもオンナの戦い方もプロのスパイであり、リアリティを増す。
ドレス姿はと言えば、麗しき美貌を武器にスーパーモデルの貫禄も圧巻のブロンドヘアのセクシーな演出も見どころだ。